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先日の関西コミティアで配られた
サークル参加者向けのアンケートの設問に
このようなものがありました。

あなたの「作品を売るための努力」とは
どういったことをされていますか?



売る」ための努力。
よく同人誌を出している仲間内でいう、
見てもらう」ではありません。

「たくさんの人に見てもらえたらいいな」
「手に取ってもらえればうれしい」
とは言うものの、
「たくさん売れてほしい」とは言っちゃいけないような空気が、
同人誌イベントにはどことなくある。
なんなのかな。
「見られる、読まれる」=「買ってもらう」じゃないのかと。
スペースに来た人全員に立ち読みされて、本は買われず戻されたら
見てはもらえたけど、欲しいとは思ってもらえなかったってことで。
私だったら嬉しくないな。
ここでの「売れる」と「儲かる」は全然次元の違う話なので
ひとくくりに考えないでほしいのですが。

ひと昔前の考えで、同人誌は利益を出してはいけないと
かたくなに思い続けている人がいます。
私はそうは思わない。
自分の作品に高い値段をつけて、それで買ってもらえるなら
原価に数百円上乗せ!とかやっても自由だと思ってる。
売れなくっても恨みっこなしで。
でも、私のレベルでそれでは売れないと思ってるから
自分だったら買うか?というギリギリのとこでの
せめぎあいなわけです。
私の規模だとオフセット印刷の最低部数ラインしか刷れないので
どうしても単価は高くなりますが、
価格はそのギリギリか抑え目の100円単位で、
それが全部売れたとしても、
約一万円くらいの赤字が出る感じです。

「売れなかった。交通費も、イベント参加代にもならない」
という書き込みを、某掲示板でときどき目にしますが
本の値段にそこまで含ませようとは思っていないので
あくまで趣味、少しでもお金の返ってくる珍しい趣味なのだから
多少赤字が出たって、それでよしとしてます。


で、はたして、趣味の同人活動で
売るための努力をすることは浅ましいことなのか?


好きでやってることだから、自分の思うままに描くのが一番。
プロじゃないんだから、楽しく、満足できれば
それでいいじゃない。
そう思っていた時期が私にもありました。

ただ、これはタテマエ。

問題は、満足できればってとこだと思ってる。
私は結局、それで満足できなかった。

同人誌即売会に出ると、ひとりで描いていたときとは違った
いろんな不満というものが生まれてきます。
配置場所に対する不満、サークル間の待遇の不公平感、
本が売れたら売れたで、反応が薄い、感想が来ない、
アンケートに票を入れてもらえない。
自分の人気のなさへの絶望感……

ホンネを言うなら、
好きなものを好きなように描いて、たくさん売れて
好評価をもらいたい。
そしてちやほやされたい。

恥ずかしいね。口にするのもはばかられる欲求だね。
しかし、そんなのありえません。
好き勝手やってこれが満たせる人は、
本能的に、多くの人に売れるものを
自らも本気で描きたいと思える人のみです。



<余談>

そういったコンプレックスを抱えながら
「本の感想が来ない」と悩んでいる人のうち
本人に望まれたからといえど
率直な感想を言っちゃいけないタイプの人がいるなあと
最近痛感する。
私もそうだったからわかるんですが。
本人は努力してるし、時間をかけて作品に取り組んでいて、
口には出さないけれども
ほんとうは自分の描くものに絶大な自信を持っている。
だけど、ほんの少し軌道がずれてる感じ。
でも、わかっていても、かたくなに自分を変えようとしない。
変えたくても変えられないと思い込んでいる。
私も、一番身近な身内からの指摘ですら
激しい抵抗や怒りを感じたくらいですから、
本人によほどの覚悟がない限りは
うかつに知り合いレベルの人に指摘するもんじゃない。

ただ、「感想がほしい」って言ったからには
褒め言葉を期待するんじゃなくて
どんな感想がきても受け止められるだけの覚悟はしろよと思う。
誘いうけになっちゃうじゃない。
褒め言葉だけを、一所懸命捜しながら
無難に社交辞令だけの感想を言い合うようなおつきあいは
正直ちょっともうしんどいです。
もちろん、現状に満足して、心から楽しんでいる人の作品に
辛辣な意見は言いませんよ。
そんなのは、本人が望んでない以上は失礼なんだと思う。
でも、売れないことへの不満を滲ませていたりすると
どうしても客観的で、本人にとってはつらい感想になるよね。

「だったらあんたはどんな感想がきても平気なんだな?」って
言われたら「NO!」だよ。
だから私はもう、積極的に「感想お待ちしております」とは
よう思わんよ。
そんな勇気ないもの。(ダメ発言)

<余談終わり>



一人に喜んでもらいたいのか、
たくさんの人にモテモテになりたいのか
これは両立できないと思ってる。
でも、そのどちらの場合でも、
読んでくれる人へのご褒美は、必ず考えなさいと夫は言う。
自分の描きたいもので、もっと楽しませてあげたいと思えなければ
ごく少数の人の心にだって響かないだろうし。

今までの私の「売れる努力」は
作品を書き上げて本にしたあと、
ディスプレーの段階で考えるものだったけれど
今は原案の段階から考えなくちゃだめなんじゃないかと思う。
どんなキャラを出すか、どんな表紙とページ数と値段で出すか。
好まれる体裁があるんじゃないか。
これは実行できる自信はあまりありませんが。
(描けるものの幅が狭いので)
でも、「売り方」も大事だけど、最終的には何をおいても
「本の中身」が一番大事だと思う。
楽しんでもらえたなら、次につながるかもしれない。
売れている人ほど無造作なディスプレーになっていくのって
そういうことなんじゃないかとか。

「売れる」が、何部売れたら「売れた」ことになるのかは
自分の中ではまだ答えが出ていません。
それも、人によって本当にさまざまだと思う。
私の目標は、とりあえず今までの平均値よりは上をめざそう、
というかんじ。

自分の描きたいものを描きながら
その中でいかに読んでくれる人におもしろく思ってもらえるか。
「描きたいもの」と「売るための努力」の両立ができたらいいなと
今は思います。

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